オーナーの思い

 2008年夏、人の優しさを考え感じる宿が十勝にオープン
和みの風
桐木 智一 さん(Tomokazu Kiriki)


施設メニュー: 

のんちゃんレポ
柔らかな灯りに浮かぶ小さな額縁から、心を癒す言葉がさりげなく語られています。そうよねえ、あたしだっていずれはお婆さんになるんだし、怪我や病気で身体が不自由になるかもしれない。そうなっても日常を離れる旅の楽しさを安心して味わわせてくれる宿があるなんてやっぱり心強い。たしかにこんなお宿は今まで見たことも聞いたこともなかった。噂の新型ペンションにひと足早くお邪魔しました!! 


■身体の不自由な人でも安心して泊まれる理想の宿を提供したい

見つけた答えは、自分でペンションを開くこと

 “看護師さんと一緒だったら旅行もできるのに・・・”身体に障害をもつ方は少なくないのに、なかなかその願いを叶えてくれる宿はありません。車椅子や食物アレルギーなどいろいろな身体の障害をお持ちの方でも、普段どおりに安心して泊まれる宿を創りたい。それが、障害を持つ人の願いであり、私の願いでもありました。しかも、障害者のみを対象とするのではなく、だれでも普通に泊まり、快適に過ごせる宿、これがこの宿のコンセプトです。ごく普通の宿のようでありながら、障害のある方にとって必要な設備はしっかり備わっている。しかもさりげなく。だからいわゆる“施設”ではなく、あくまでも宿です。

この宿を開くきっかけは、私が病棟に勤務している頃、身体に心配のある人は安心して旅行ができないという現実を知ったことです。実は私は最近まで訪問看護の仕事をしていました。その前は病院にも勤めていましたし、ターミナルケア(注:終末期の医療看護)、ホスピスには3年間勤め、看護師として10年ほどやってきた中で、設備や食事などが自分の身体に合わないため旅行を諦めている人たちの気持ちや、そのような方々にとって必要な設備とは何かを妻や同僚と一緒に考えてきました。その後、訪問介護に携わるようになってからも、日常の中では病院とディサービスと自宅の往復しかしない方が多いことを感じ、少しでも旅行のお手伝いが出来たらと思うようになりました。

お客さんの抱える悩みは一人一人皆違います。ですから納得のいくサービスを提供するためには、医療や介護の現場の感覚が大切だと思うのです。そこは外せないなと考えたら、人頼みではなく自分で理想の宿を作るしかないと思い至りました。あまり前例がなかったせいか、取材の依頼もちらほらと来るのですが、軌道に乗るまでは、焦らずじっくりお客さんの相談をお聞きしながら取り組んでいきたいですね。

■看護や介護の現場の経験を部屋作りに生かす

障害のある人にとって安全な施設は、小さな子供やお年寄りにとっての安全性にもつながることが多いものです。例えば、車椅子が通るというと直ぐスロープにしなければいけないと考えるのは少々短絡的だと思うんですね。場所によっては、低い段差でもそれをしっかり認知できて安全に越えられる設備にする方が良いこともあります。この宿の遊具や飾りは、すべて子供が触っても安心して遊ばせておけるものにしています。木馬の顔なんかは全部自作です。廊下の曲がり角にあるのは、「かまくら」です。ああいう仕掛けにすると子供が興味をもって中に入って遊ぶだろうなと思って大工さんに頼んで造ってもらったんです。小さい子はそういうの好きですよね。気に入ってもらえると嬉しいです。

寝室は全部で5つ。和室タイプが2部屋あり1部屋3名様まで、洋室タイプが3部屋あり多少狭くはなりますがEXベッドが入りますので3名様まで大丈夫です。その内、和洋各一部屋は、つなげてのご利用が可能です。ベッドは介護用のものなど各部屋で全て異なります。

お風呂にも出来るだけ木を使い、落ち着ける雰囲気にしました。木の手すりに掴まれば湯船への出入りも楽にできるはずです。入浴介助の経験もありますから、ご要望があれば、有料にはなりますが入浴のお手伝い等もさせていただきます。本当は木の湯桶なども使いたかったのですが、重くなるのでこれはプラスティック製にしています。

トイレは、一般的なタイプのほかに、車椅子でも入れる大きな間取りのトイレも設けました。オストメイト対応の設備もあります。テラスは、日向ぼっこをしたり、喫煙するためのスペースです。館内は禁煙です。

これもこの宿の売りの一つですが、食物アレルギーのある方にはそのお客様に合わせた食事をご用意します。和食がメインとなりますが、使う材料については予め相談させていただき、例えば卵が駄目ならば卵を使わないお料理にするなどの対応が可能です。定員が少ない半面、一人一人のお客様のリクエストにお答えすることができます。ぜひ遠慮なくご相談いただきたいですね。それでも、せっかく十勝にきたのだからと外食を希望されるお客様もいらっしゃるでしょう。しかし、食材に制限のある方が見知らぬ土地で食事するのは難しいものです。そのような方で外食を希望される場合には私からご紹介させていただきたいと思っています。例えば十勝の美味しい食材を使ったレストランに行きたいけれども卵は無理というのであれば、アレルギー対応食が作れるレストランもありますので、事前にメニューを手配しておくことも可能です。

■木の温もり、感じてください

私は、育ちは東京なのですが、北海道の自然が好きで札幌に移り住み、いつか自然に囲まれた環境に自分の住処が欲しいと願って探してきた結果、この場所に決めました。もともとは10年ほど前に廃校になった学校の隣にある福祉館の跡地です。なんとなくそれらしい雰囲気があるでしょう。大きな校庭の木とかね。私は木が好きなので、工務店とも相談しながらインテリアは木の温かさや落ち着きで統一感を出すようにしました。冬には薪ストーブを焚きますよ。車椅子用の手すりは2段設けていますが、普通の金属棒だとまるで施設のようになってしまい楽しい旅の宿の気分も損ねてしまいかねません。それを必要としないお客様にも違和感なくくつろぎの時間を過ごしていただきたく、自然に手を伸ばして掴まる場所に手摺りを兼ねた造作にしました。

是非、木のぬくもりや自然に囲まれた安心できる空間の中で和みにいらして下さい。

【ノンの感想】

 旅をしたいのに叶わない、と諦めていたら、こんなお宿もあったんだって、夢を現実にしてくれる・・・これからきっと、かけがえのない旅の思い出がたくさんつづられていくのでしょうね。


 
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