■■■ 贈る言葉 −親から子へ−■■■

毎年3月下旬に<大地の学校>では終了式を行ないます。 
留学生の親御さんから子どもに贈られた言葉から幾つかを。



■愛知県・6年生の母■

 小学校生活を一つの区切として考えていた私にとって、息子の卒業は、格別の想いがあります。
 小学生活最後の一年を遠くこの地へ留学し、別々に過ごす事になった事がさらに、この気持ちを複雑にしていますが、息子にとって北門小学校に通った一年は、前の学校で過ごした5年間以上の中身の濃い、想像以上に充実した一年となった様です。
 北門の皆様のお陰で過ごせたこの一年を、親子共々感謝の気持ちを忘れる事ない様にしなければと思っています。
 側から見ている分には変わらない様に見える息子ですが、物事に取り組む姿勢は全く以前と違っており、自らチャレンジする事の楽しさを知ったようです。
 一つの事を皆で協力し、やりとげる事の素晴らしさ、楽しさを知る事が出来ました。
 一年前、親元をはばたいた息子が、さらなる希望を持って飛び立とうとしています。
今この息子にしてやれる事は、ただエールを送って送り出す事と、何時でも羽根を休める事の出来る場所を用意しておいてやる事しかない様です。
 本当にこの一年、温かく見守って下さって有りがとうございました。
 




■大阪府・6年生の母■

 一年間前ふと目にした記事がきっかけで「大地の学校」そして北門小学校へと跳び立った喬。早いもので、もう卒業の時を迎えようとしています。その間、大阪と、北海道を何度往復したことやらーー。
 二月、父親と二人で初めて大地の学校の面接に。森田さんや動物たちと会い、小学校も訪れました。その夜の「母さん、喬、北海道に行くん?」との電話に、一言「そうや。」と答え、心細さと好奇心の入りまじっていたに違いない我が子の小さな背中をポンと押しました。それからは準備と別れの挨拶の日々。
 四月、入所式。初めて目にする広大な牧草地。その中に点在する牧場。バスが上士幌に近づくにつれ、ここで喬が一年間を過ごすのだと実感がわいてきました。
 六月、北門地区大運動会。人一倍緊張する喬ですが、北門小学校にも大地の学校恒例のサンポにもすっかり慣れたのか、のびのびと競技に参加。何とリレーでガッツポーズも見せてくれました。また、乗馬訓練中の真剣な表情も印象に残っています。
 八月、家族旅行中に寄った際には、湖でのキャンプや渓流釣りなど短い夏を満喫しているワイルドな姿にも触れました。(宿題は完全じゃなかったけど・・・)
 十一月は学芸会。北門地区の方々が一堂に会しての盛大なもようしで、子供たちは大忙し。司会や準備、照明といった裏方から、ピアノ木琴演奏に歌、踊りに劇に大活躍でした。
 そして、二月のスケート大会。予定してなかった私に森田さんから「がんばっている姿を見てほしい・・・」との電話。慌しく出発したのですが、本当に行ってよかったの一言に尽きます。今まで経験したことのない厳しい寒さの中で早朝練習を続け、たくさんの方々から指導や励ましを受け、風を切って滑りぬく我が子の姿には感動しました。
 こんなチャレンジの機会を作ってくださった森田さん、久美さん、ありがとう。
 大らかに、温かく見守ってくださった北門のお父さん、お母さん、ありがとう。
 子供たちを一人一人を主人公に、成長を見守ってくださった合田先生はじめたくさんの先生方、ありがとう。
 喬は、また新たな出会いの季節を迎えますが、子の一年間の体験、出会いがきっと彼を支えてくれることと信じています。

                落ちてきたら こんどは もっと
                高く 高く うち上げようよ
                     美しい願い事のように
                               (黒田三郎)

 喬の名前は、この詩からとりました。いつまでも、お元気で。
 




■大阪府・6年生の母■

 亮介、卒業おめでとう。大きな大きな意味のある卒業ですね。
 北門小学校の卒業証書は亮介の生涯の中で、最も大切な宝物になるなはずです。
 一年生〜四年生の大阪市立瓜破西小学校、五年生の藤井寺小学校。そして北海道の北門小学校。
 言葉で表せば簡単だけど、亮介にとっては、ものすごく、いやだったりつらかったりしたのかもしれないね。
 でもいやな顔一つ見せないでいつの時も明るく元気でいてくれたね。本当によく頑張ったね。
 今、亮介を、北海道に留学させた事心から、良かったと思っています。
 目に見えてどこが変わったということはないと思うけど、亮介自身かならず底力がついている、そして自分にきつく何か自信がもてると思う。だからそのまま素直に成長してほしいと思う。
 北の大自然にいだかれ、そして北の大地の人々の暖かさに包まれて、とても貴重な小学校6年生の1年間を過ごせた事に感謝しなさい。
 大地の学校、北門小学校、保護者の皆様方に心から感謝申し上げます。
 




■大阪府・6年生の父■

いよいよ卒業ですね。おめでとう。
最後の1年を北海道で過ごす事になりましたが、あの寝坊すけのテツが、ちゃんと起きれるか心配したけど、毎朝早起きをし、仕事もこなし、楽しく登校してくれて、喜んでいます。
今までは能力以上の事はしようとしなかったけど、スキーやスケート等始めて体験する事が多く、集団生活の中で『努力』『頑張り』『協調』と、大事な事をたくさん学んでくれたと思います。
よく弟や妹がほしいと言っていましたが、大地の学校ではたくさんの仲間が出来て楽しかった事でしょう。
中学生活も北海道で送る事になりましたがこの大自然のすばらしさを、もっともっと身につけて、これからも頑張る気持ちを持ち続けてほしいと思います。
遠い大阪から応援しています。
頑張れテツ!



■大阪府・4年生の父■

「だんだん、行きたくなくなってきたな。」「一学期だけ行って帰ってこようかな。」
入校が決まった当初の興奮がさめて大地の学校行きが迫ってくると、君は弱音を吐き始め、不安げに、そして緊張でコチコチになりながら北海道へ旅立って行きました。
ある信念を持って農村留学を勧めた父さんも、その時の君の姿を見て、少々心配になったものです。
あれから、あっという間に一年が過ぎました。
君は、途中で帰って来るどころか、「もう一年残りたい。」と言い出すほど、大地の学校生活がすっかり気に入りましたね。
父さんが君にどうしても経験させたかったのが『大地』でした。
人間も、動物も、植物も、大地から生まれ、大地に行き、そして、大地に帰っていきます。
決して病院で生まれ、病院に帰って行くのではありません。
生きるもののすべてが仲間であり、友達です。
そして、土にまみれ、大地に生きることは、厳しいけれど、楽しいことです。
テレビゲームやミニ4駆も面白いけれど、もっと楽しいことがあることを、君に知って欲しかったのです。
この事は、時代がどんなに進んでも、変ることがありません。
君が北海道の生活を気にいったのも、きっと、この事を体で感じたからだろうと思います。
人間の本性が目覚めたのかも知りません。
そして、もう一つ体験させたかったのが、一人で他人の中に暮らす事です。
父さんが君に、できるだけ連絡を取らなかったのも、そのためです。
君も、君の若い仲間たちも、これから長い人生を生きていきます。
生きて行く途中には、色々つらいこともあるでしょうし、重大な事を自分だけで決断しなければならない時もあります。
その時、必要なのは、精神的な強さと、判断の元なる正しい考え方や感じ方です。
北海道の暮らしで、君は間違いなく人生に一番必要な物をつかんだと思います。
それを大切に持って帰ってらっしゃい。
以前とは違う大阪が見えるはずです。
次は、海外を目指して下さい。
最後に、もう一度一緒に大きな声で言おう。
北海道ありがとう。
大地の学校ありがとう。
森田さんありがとう。
久美さんありがとう。
仲間たちありがとう。
牛くん、馬くん、犬くんありがとう。
みんな元気で。
また、いつか会いましょう。
 




■兵庫県・4年生の父■

冬期はマイナス20度にもなる寒い土地での自然に包まれての生活。
親元と離れ、寂しさに打ち負かされた日もあったでしょう。
逆に農業のつらさに耐えられない日もあったでしょう。
これらの事は、これからの生活の中で自分自身を助けてくれる事になると思って下さい。
お父さんも、心の中で色々と葛藤がありました。
これで良いのか、良かったかと。
まだ九才の子供を親元か離して人に教育を委ねて良いのだろうか?と。
そんな思いも正月に帰省した時、ふっとんでしまいました。
人に対しての思いやりと優しさを表現できる恵里奈に親としての安堵と共に子供に対する信頼感もうまれてきました。
今は恵里奈の帰って来る日を心待ちにするのみです。
 




■大阪府・6年生の父■

去年四月、入所早々のホームシック、ガーンでもこのことは、君にも母さん達にも、最初に実感した出来事。
今まで悔し涙は見せても、弱気の涙を流し、それを赤裸々に表に出すことはなかったものね。
大阪のちっぽけな世界だけでなく、北の大地でたくさんの人と出会い、いろんな事と触れ合って、いっぱい いっぱい体験して、感じて考えてほしい。
こんな思いだけで、君を外の世界へ出そうと思ったの。
これは、君が生まれて間もない頃からずっと、お父さんとお母さんが望んでいたこと。
でも同時に、母さん達にもたくさんの人と出会い、様々な体験ができた。
帯広方面の天気を気にし、テレビ欄で北海道の番組を探し、北風だよりやビデオを心待ちにしながら、いろんな事を思い、考えた。
又、そのことを、親同士、おしゃべりし会いもした。
時には、おいしいものを食べながら。(へへ…ゴメン!)
君にとっても、お母さんにとっても、この1年間の経験はすべていい思いでとなって光り輝くことだろう。
コンクリートの中に戻ってきても、北門の風を忘れずに、自分を大切に、人を大切に、達央らしく育っていってほしい。
「兎にも角にも、しんどかったけれど、たのしかったよ」と言って帰ってくることを願って…。
 





■大阪府・6年生の父■

頌平君、「大地の学校」を無事に終えることが出来て良かったね。
突然、北海道行きがきまって、本当には行きたかったのだろうかと最初の頃は心配しました。
今まで自然を体験する機会が少なかったので、にはぜひ、北海道で生活して欲しいと思いました。
そんな両親の願いを聞き入れてくれてありがとう。
早朝や夕方の作業をしている様子を見て、胸が熱くなりました。
今まで子供だから出来ないと決めつけていた様な事が本当は十分できるのだと知りました。
頌平君、この1年大地の学校で過ごせて幸せだったね。
初めての事にたくさん挑戦し、また、多くの人達と知り合えて、そんな頌平がお母さんはうらやましいです。
がいなくて淋しかったけど、北海道へ行ってくれたおかげで、私にとっても新しい事を経験できた楽しい1年でした。
 




■兵庫県・6年生の父■

平成9年4月5日に大地の学校に入所してまもなく1年になります。
親として一番心配していたのは、子供の性格で集団生活になじめないのではないかということでした。
また、北門小学校の授業について行けるかということでした。
8人の小人数の集団生活ですが、生活やこれまでの生活態度の違う仲間の生活は、想像をはるかに越したことだったと思います。
8人の子供達を一年間にわたり見守って頂いた森田夫婦には、頭の下がる思いです。
夕香にとってははじめて長期間の集団生活であり、両親から自立した生活です。
当初は生活に慣れなかったようですが、夏ごろから変化が現れたようです。
夕香が大地の学校で学んだ一つは、『人との出会いを出来るだけ大切にする心』と思います。
『一期1会』は、井伊直弼の著作『茶の湯一会集』にはじめて見る熟語です。
『一期』は人間の一生、『一会』はただ1度の出会いということです。
『会った時が別れ』といううけとめ方です。
会った時が別れだから人には親切に忠実に接すべきであるということです。
また、学んだ二つ目は、『小言は大事』と思います。
何事も『小言は大事』で小さな事が物事の一番基本となっているのでわないでしょうか。
大地の学校での日々の生活、北門小学校での学校生活、それにスキーやスケートの練習なども『小言は大事』であると思います。
小さなことの一つ一つの積み重ねがやがて大きな結果を生み出せると私は信じています。
夕香の心の中に『一生懸命やれば、何事もできるんだ。』という芽生えがあると思います。
この大切な心を中学生になっても持ち続けて欲しいです。 
 
 



■兵庫県・4年生6年生の母■

三月に入れば今月で終わり、早いものだなあと思ってはみても、まだ実感が沸かなかった。
中頃になってくると、さすがに何か感じるものがあってか、昨年の今頃は、このリバーシティーの前を通って四人で歩いたっけ。
サクラが咲いていたなあと思いにふけると、1年前の事がその時その時の場面が浮かんで、ペンをとらずにはおられない気持ちで、車中にて書きとめました。
それをハガキに書いてあなた達二人に送りました。母の贈り物ですそれをここに記します。
リバーシティーの前を通ると思いだしそれぞれが希望と不安を胸にサクラ咲いた1年前、今年は四人でサクラ見をしよう。
やっと大地の学校の住所も手が覚え住所録を見ずともスラスラ。
日を追うごとに母の目に涙。
聖子とこいだボートに 心あたたまる 何か ここち良い風が吹き込まれ。