大阪サカイ・阿波ケンドと言われてる阿波弁への考察

 ふるさと阿波の鳴門を出てちょうど40年目 忘れかけてるふるさとの言葉を思い出しながら気のついた語から随時書き足す予定   


グッチン (名詞)蛇の総称。
古語(ぐちなわ)よりきているらしい。口のついた縄とは古人もおもろい観察眼。という説ではなく資料によれば、朽ちた縄からとも。個々の蛇ではヤドシ 宿主でアオダイショウがある。名称にふさわしくイエネズミを食べ体長2メートルをゆうに超えるのを見かけたこともある。鶏の卵を丸呑みにしたのに出くわしたこともあった。ハミ 噛みでマムシをさす。小さな体で三角形の頭をもたげて飛びかかり人を噛む。

ゴウタ (名詞)蛙
なぜそう言うかはあまり考えないで過ごしていたが、ある時地名で「小牛田」を見て、牛をごうと読む事を知り、うるさいウシガエルにふさわしいと思った。物静かなヒキガエルは、オンビキ さんと読んで庭の神としてあがめていたが、爺さんのキセルの脂をつけたら、前足で顔を拭く動作がかわいかった。

ヘラコイ  (形容詞)ずるい 狡猾に立ち回れそうなの意味
相手が驚いたり、舌を巻くほど上手く立ち回る時に、褒め言葉でなく一種の軽蔑を込めて使う。用例
 あいつ ほんまに ヘラコイジェー

ケッタクソワルイ (形容詞)腑が煮えくり返って治まらない様子
あーあいくらなんでも草履でじゃまな石をけ飛ばしたら、石じゃなくて牛の糞だったので、これから足と草履を洗わなきゃならない。蹴った糞悪い(?)の意(すごいこじつけ!)用例
 こないなことになって ケッタクソワルー

アバサカル (動詞)暴れまくる 狂喜乱舞するの意
 暴れる+さかるの合成語らしい? さかるは、さかりのついた牡の落ち着かない行動を表す語。用例
  ほないに アバサカットッター 怒られてもしらんよ

アババイ (形容詞)まぶしい 光が強く目を開けるのも困難な様子
 どこから出た言葉かよく分からない。きれいなことを アッパイ という幼児語もあるし、風呂の湯が熱い時に イタイ ともいうのでそれに近い(?)かな 用例
  おひーさん(太陽)ほんまに アババイナー

エライ   (形容詞)大変な様子
 阿波踊りの囃子ことばにもある エライヤッチャ エライヤッチャ ヨイヨイヨイ ヨイ つらいの シンダイ や帯広方言の コワイ に近い使われ方をする  用例
   きょう エラインデ 行けへんわ 

バイ  (名詞)貝状の独楽 鋳鉄製の独楽を盆から落とし合う遊び
ベーゴマと呼ぶ地方があるが、バイ(貝)とコマ(独楽)を合わせたのがなまったのだろう。我々は、正統(?)にバイとよんでいた。火鉢の上に座布団を載せ周りを縛り、ゴムマットをかけた上でひもで回したバイをぶっつけあい、落とされたのは、相手に取られる。肉薄で中空のは、チンカラ とよび一番弱かった。王者は、回転部を擦り全高を低くし重心を下げ、鉛を注入したロッカク だった。薄暗いときの対戦では、ロッカクの角が相手に触れ火花を散らすのが見えた。
 

ゴジャ (名詞)まちがい「誤邪」かもしれない
 まことしやかにあきらかな間違いを、言っているときに使う。さらに侮蔑を増した言い方に ゴジャブロ と言うときもある 間違った推量が含まれるときには、ドケント ということがあるが、ドケントワルイとなると、格好がつかない・体裁悪いの意味にもなる。

イッキョル キヨル  (動詞)現在進行形で行きつつある 来つつある
 阿波弁の真骨頂 珍しく進行形の表現になる 打ち消す場合は、イッキョレヘン キヨレヘン となる。イヌ 戻る 帰るの進行形は、インニョウ となり、打ち消しの場合はインニョラン となる。用例
 となりの おっさんが キヨルジェー 

ホナケン (副詞+接続詞)そうだから
 SとHがねじれを起こす阿波弁独特の表現”こそあど”ことばのソが全部ホに変わる。ソレがホレに、ソウがホウになってソウナンダがホウナンダになり、阿波弁の真骨頂 ケン と結びつき ホナケン となった。用例
 隣のおばはんが悪い。ホナケンよう言うてけえへんのとちゃうか。
断定の意味の強いホナケンに相手の同意を求める意味を込めて柔らかい表現 ホナケンナ と言う方が多いかもしれない。特に女性は、 ホナケンナー と言う言い方をよくしていた。用例
あのおばはん 浮気したん ホナケンナー いなされたわ。

ケンタイ (名詞)勝手気ままに 思うがままに
 権態?か権対なのか とにかく超法規的対応を得意満面で行う動作をさして言っていた。旧陸軍鯨部隊で中支方面から引き揚げてきた叔父がよく口にしていた。方言よりも軍隊用語かも知れない。

シェン (名詞)(字音語素)線、先、選、千などと、やりませんや、行きませんなどの語尾
 北海道に来てよく指摘されたのが、このせやぜの発音。これを克服するためによく発音練習をした。コツは、てやではきちんと発音できるのでそれに近づけるように発音した。それでも2年目か3年目の帰省で、喫茶店しえんに誘われた。喫煙中だったので紫煙とはしゃれた名前と教わった地名にたどり着くとガーン!店の名は、線だった。私の耳は、阿波弁のせを聞き取れなくなっていた。
 '10年生まれの父は、読み方の試験で御菓子のふりがなでオクワシと書かないと○がもらえなかったとかでいつも発音はカと区別している。

メグ (動詞)こわす 破壊する くだく
 器物が破損するおそれがあるときには、よく「メガンようにせえよ。」とか「メゲルかもしらん。」とかよく注意された。共通語のメゲルのように気分の落ち込む時には、あまり使った覚えがない。ポルトガル語にuchimeguと言う同意語があるそうだ。用例
あの人 怒って 梨の棚 メゲルぐらい 押しとったわ。

ジルイ (形容詞)汁いが語源らしい。地緩いがユ抜きになったとも
 農家で、幼い頃水田を作っていたので、水を張った水田の様子をこのように表現した。梅雨時の水たまりでも使った。ジルイなのか、ヂルイだったのかよくわからない。西四国の学生に、若い頃私を含め阿波衆は、ジとヂの発音をごっちゃにしていると指摘を受け、発音レッスンを受けたが修得できなくて今に至っている。人の耳孔には乾燥肌と湿潤肌がある。人数が圧倒的に少ない猫耳の私は、自分の耳をジル耳といつも気にしている。

コズク (動詞)咳き込む 続けて咳をする
 共通語の人をこずくとは違って、こんこんと咳が続く様を言った。だから、ひょっとしてコズクではなくコヅクなのかもしれない。用例
今年の風邪は、コズクのに熱が出えへん。

ヨタンボ  (名詞)酔いどれ
  お酒に酔って、家に帰る道が分からなくなって、田んぼのまくらにある有機肥料(人糞・尿)の貯蔵庫(野壺)に落ちて、マメダ(豆狸)に騙されたと口実を付けて入浴の真似までしたかわいい(?)酔いどれがいたらしい。幼い頃、そんな話を聞いて酔いどれにはなりたくないと思ってたのに、今じゃ何にも、騙されないのに正体不明に陥る完全無欠の酔いどれになってしもうた。有機肥料の内コウベゴエと呼ばれる上物があった。これは神戸市内の外人街や上流階級の排泄物で肥料の含有率が段違いだったので、値段も高く引く手数多だった。今の明石大橋あたりを機帆船を頭に、数艘のコエタゴブネが黄金艦隊よろしく四国に向かっていた。その表面には当時珍しかったセルロイドのキュウピーや、硬球の芯などがオマケに浮かんでいた。

ゴロの教生日誌その後
 ゴロは教育実習の後、就職浪人を1年間経験して念願の中学教師として北海道に渡る。そんな経緯を怪しげな阿波弁で綴ります。よくわからない時には、メールください。全文共通語訳して返書します。単語のお問い合わせもどうぞ

 教育実習おわったんで、つれの青木と阿部の三人で鳥取の大山に始めての冬山登山に行ったんじゃ。体育の四宮はんに単板のスキーを貸って(せえの開きが20センチこえとったんでわいには長過ぎたんじゃけんど)宇高連絡や汽車で行たなあ。山陰に入って寝ぼけとった耳に聞こえたんは外国語みたいななまりの話し声でえ。おぶけたなあ。ベーステント張って天気待ちしょったんじゃけんど山頂見えへんけん計画変更してスキー場の方へ行てみたんじゃ。途中でこけて見えた空をヤマドリのおんたが飛んびょるんが見えた。ヤマドリってきれえなあ。ゲレンデで上から滑ってきたほかのスキーヤーにシールひっかけてトップの部分をへし折られてしもたんで修理してもうた。もんてから教官室に戻しに行たら修理したスキーを見ただけで四宮センシェ嫌な顔しょったじぇー。ほんでな、教務へ行て附属小学校の教育実習の学級配属見に行たらな、どこにもわいの名無かったんよ。係に言うてようよう決めてもうたんじゃけんど、あたったんがけったくそわるい担任で、もう名もわっせてしもたけんど、でっしゃばりで、かっこばーいつけていっちょ好かんやっちゃ。ほんで言うことまんできかんでちゃらちゃらしょったら学級の子たちにも嫌われて、最悪の教生になってしもた。卒業式の前に、附属の川原校長に電報で呼び出され、校長室で教育実習小学校のほうは、結局単位出せんと言われてしもた。何とか卒業はでけたんじゃけんど、小学校の免許はもらえへなんだ。ベビーブームが去って中学校の採用が皆無の見通しなんで、地方実習を削って小学校の免許取得を大学がやってくれたのに、ほれをパーにしてしもたんで採用試験は、高校で受けたんよ。ほんでも採用はゼロで成績の良かった奴が何人か臨時で入ったなあ。ほんで丸一年は就職浪人。おやっさんは、見切りつけて果樹農家でもやらそと密かに計画しょったらしいわ。二年目は、教務の勧めで他県をなんぼか受けた。四月になって今年もあかなんだとおもて炊事のてつないしょったら北海道からきてくれっちゅう電報が来て桜咲く本州を北上して、水芭蕉咲く北海道で校庭十ヘクタールと言われた芽室中学に赴任したんじゃ。

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