・開催の背景
 北海道の十勝、特に帯広周辺の地形は平野が主体であり、農村の占める割合が高い。農村における小河川(明梁排水)は、これまで主に農業生産の場としての機能が重視されてきた。しかし小河川の役割は、今後、多様な生態系を確保し、地域住民全体に潤いと安らぎを与える空間としての多面的な機能や役割を担う必要性がある。このことは広く市民に理解してもらう必要がある。そこで里川づくり実行委員会は一般市民向けに本シンポジュウムを開催した。

・ 目的
十勝の農村地帯における多様な生態系を保全し、市民のための豊かな自然環境を守るために、農村における小河川(明梁排水路、ここでは里川と定義)に対する地域住民の理解を深める。

・ シンポジュウムで対象として生物本シンポジュウムでは里川の環境を象徴する生物としてニホンザリガニに注目した。
その理由として、本種は過去に里川に広く分布しており、大型で目立ち、捕獲しやすいために地域住民に親しまれた生物であった。またニホンザリガニはきれいな水環境を好み、環境悪化に伴い容易に姿を消す。そのため本種の有無により里川の環境の状態を一般の市民でも容易に、かつ的確に理解することができるので、ニホンザリガニは里川の環境の指標種と考えた。将来的にみて、環境保全の主体となるのは現在の子供であるが、ニホンザリガニは子供に親しまれやすく、環境教育の材料としても好適である。

・ 開催結果
2001年2月10日(土)、13:00〜15:30、帯広市十勝プラザの視聴覚室にて、シンポジュウムを開催した。なお入場は無料とした。主催は里川づくりシンポジュウム実行委員会で、後援は帯広開発建設部、十勝支庁、帯広土木現業所、帯広市、北海道新聞帯広支社、十勝毎日新聞、北海道田園生態系保全機構、十勝ニューカントリー21研究会であった。

・ シンポジュウムの内容
講演と展示が行われた。講演はシンポジュウム実行委員長である平田昌克からの趣旨説明に続き、基調講演としてニュージーランド国立水圏研究所のステファニー・パーキン博士「ニュージーランド在来種のザリガニ保全、特に農地開発関係について、原生林を牧草地にすることによるザリガニ個体群への影響」、講演1として北海道立中央水産試験場の川井唯史研究職員「日本在来種の基礎生態と生息地の状況」、講演2として農林水産省水産大学校研究科の中田和義「日本在来種の保全技術開発」が行われた。また講演終了後には質疑応答が行われ、最後にはフランスから来場された町野陽一氏による欧州のザリガニの現状についての紹介もあった。展示では十勝に分布するザリガニ類3種(ニホンザリガニ、ウチダザリガニ、アメリカザリガニ)が生態展示された。またザリガニ類の基礎的情報についてのパネル展示とザリガニのペーパークラフトとマスコットの無料配布が行われた。

・ 開催の成果
会場には十勝内外から約150人の来場があった。この人数は帯広市の人口(2000年現在)の約0.1%に相当する。来場者の構成は十勝管内が73%、菅外が27%であった。また管外からは、札幌市、小樽市、旭川市、北見市の他、青森県と京都府からの来場があった。またシンポジュウム関連の報道は、2001年1月19日に北海道新聞、2001年2月11日、同24日に十勝毎日新聞、2001年2月28日「宇宙船かたつむり発進!!」山口放送で扱われた。

・ 協力機関
シンポジュウム開催に関して以下からの協力が得られた。北王コンサルタント株式会社、JapanCrayfish Club、音更川グラウンドワーク研究会、小樽市博物館、足寄高校生物研究同好会、株式会社ズコーシャ、北海道田園生態系保全機構



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「里川づくりシンポジウム」実行委員会
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