オーナーの思い

皆さんの食卓にナチュラルチーズを
十勝野フロマージュ
赤部 紀夫さん(Norio Sekibe)

年齢 1940年生まれ
出身地:北海道函館市
施設メニュー: 

のんちゃんレポ
 チーズは私も大好き。一番好きなのはカマンベールチーズかな。あのしっとりとした味わいが好きです。今回訪ねたのは、中札内村にある「十勝野フロマージュ」。フロマージュ(Fromage)はフランス語でチーズという意味なのだそう。チーズ造りに全てをかけるオーナーは、常に最高に美味しいチーズを提供することをモットーに、日々研究に余念がありません。アイスクリームもGood!かわいい店員さんがコーンに取分けてくれます。
 美容、長寿を支えるチーズ&アイスクリーム。それを食することは数千年の昔から受け継がれる乳製品の文化に触れることでもある。Bon jour, Camembert!

気がつけば、チーズづくり一筋に
 私がナチュラルチーズ造りに出会ったのは、54歳のときだったかな。私はもともと、浦幌の乳業会社に勤めていて、その前身の大手メーカーの時代から30年余り、牛乳の加工に携わっていました。その頃、浦幌町民から浦幌を代表するみやげ物を作ってほしいという要望があってね。原料となる美味しい牛乳があるから手造りの生タイプチーズがいいだろうと決まったわけ。開発担当者を選ぶときに私が真っ先に手を上げたんですよ。これは新しいことにチャレンジするチャンスだと思いました。
 初めてナチュラルチーズを造って感じたのは、難しいけど楽しいということです。熟成度合いによって刻々と味を変える生きたチーズを造ることは本当にやりがいがありました。そして、満足のいく美味しいカマンベールチーズができるまで試行錯誤を繰り返しているうちにすっかりチーズ造りにはまってしまった私は、会社を定年したら自分の工場を持って、自分だけのチーズを造ろうと心に決めていました。


この村の「水」が決め手
 十勝といえば牧場のイメージがあるでしょうが、好条件が整っているおかげで、乳質も世界トップクラスの水準です。その生乳を新鮮なうちにチーズへと加工します。その過程でできるホエー(チーズになる固形分以外の水溶性蛋白質を含んだ上澄み)も、新しい価値を生み出しています。ホエーを豚に与えると、肉がやわらかくて美味しいと、近頃人気急上昇中です。

 自分の工房を造るにあたり、まずはどこにしようかと考えて、休みを利用して十勝をあちこち見て回りました。あるときこの中札内村に来て、レストランで出された水が“うまいっ!”と感じ、この村でやっていこうと決めました。

 工房は、マイナスイオンたっぷりのクリーンな環境でチーズを造れるようにと、床下には大量の活性炭を敷き詰めました。ここはすぐ近くを清流日本一に何度も選ばれている札内川が流れています。日高山脈を水源とする伏流水があちこちから湧き出ており、非常に水がきれいでおいしく、チーズを造るための最高の条件がそろい、最高の素材が豊富にある場所なんです。


MADE IN NAKASATSUNAI
 チーズの虜になった私は、ナチュラルチーズの本場フランスに何回も足を運び、小さな工房の伝統や文化を学んできました。ナチュラルチーズはその土地ならではの特徴を出すのが大事であると、技術もさることながら工房に漂う伝統、文化の空気を感じ全身で吸収してきました。

 プロセスチーズももちろん栄養価の高い乳製品ですが、これは熱処理して味や品質を均一化し、殺菌したもので保存性に優れたものです。ナチュラルチーズは常に発酵が進み熟成が進む言わば生きたチーズであり、ここの土地でしか出せない味が楽しんでいただけるものなのです。

 地元の農産物をチーズに組み合わせたオリジナルチーズの開発を思い立ち、早速、研究に乗り出しました。十勝を代表する豆の中で、中札内産の大豆「大袖の舞」を使用しています。一口に大豆といってもたくさんの種類があります。「大袖の舞」の特徴は、他の大豆では臍(ヘソ)と言われる部分が黒や暗褐色なのに対して黄色ですからチーズに入れると見た目も美しく仕上がるんですよ。栄養は言うに及ばず、香り、味、舌触りも本場ヨーロッパのように土地の個性を大事にしたいと思いますね。

 中札内村は、早くから土づくりに力を入れてきた地域なんですよ。農家の仲間もいいもの作ろうとしてみんな頑張っている。今の時代、環境への影響なども考えていかないとね。
素晴らしい地元農産物との組み合わせで出来た、新タイプ「ビーンズカマンベール」は中札内村の素材から生まれた自慢のチーズです。


国産ナチュラルチーズの60%が北海道産
 チーズの国・十勝と言っても国内産のナチュラルチーズが皆さんの口に入る機会はまだあまりないでしょう。流通しているナチュラルチーズの多くはヨーロッパからの輸入品であり、国内の生産量はまだまだ小さなものです。しかし、十勝はヨーロッパの名産地にも負けないチーズの生産地になれるポテンシャルを持っています。だから、ここでしかできないナチュラルチーズを皆さんに食べていただくために、小さな工房が頑張らなくてはならないと思っています。チーズ造りにかけて志を同じくする仲間が手を組み、チーズの品質向上、供給量の増加と安定をどうやって進めていくかなど、勉強会を開くなどして研究しています。そして、安全安心で美味しいチーズを皆さんに食べていただきたいですね。

 皆さんも新聞などでご存知かと思いますが、今年(6/22〜6/24)日本はもとよりアジアで初の「コミテ・プレニエ・フロマージュ」が実現することになりました。このイベントは欧州のチーズ生産工房などからなる連絡会議で、ナチュラルチーズの普及や品質の向上を目的にしたチーズ生産の地域ネットワーク会議です。十勝は最高の素材を元に努力、研鑚を怠らず、チーズ王国としてさらに向上を続けようと意気込んでいます。


愛されるチーズ工房をめざして
 そうだ、皆さんに新しいチーズの食べ方を二つお教えしましょう。
美味しいチーズをより簡単に食べるために、一つ目は好きな野菜(セロリやニンジンなど)を適当な長さに切って野菜スティックを作ります。あ、皆さんもう想像つきましたね?そうです。その野菜スティックにチーズをつけて食べます。まだやったことのない人は試してみてください。
 もう一つ。カマンベールチーズを適当な厚さに切って、すし飯を握ってぽんっと乗せればチーズ握りの完成!ご飯はちゃんと酢の入ったすし飯を使います。疑っているあなた!ワサビもぬって醤油をつけて、是非チャレンジしてみてください。相性いいんですよ。

 私はチーズに魅せられ、チーズと共にひたすら歩いてきています。美味しいものを造る努力をずっとつづけないと生きたチーズの相手はできません。
最近は、旅行の行きや帰りに工房にわざわざ寄ってくれる道外の方も増えました。お客様に美味しいといってもらえることが本当に励みですね。
 とかち帯広空港からわずか15分。丹精込めて造った十勝の味をぜひ一度、お試しください。



 
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