オーナーの思い

白樺の与えてくれるもの
インカルシペ・モイワ
米山 有年さん(Aritoshi Yoneyama)

1945年生まれ
出身地:東京都

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のんちゃんレポ
 米山さんは幼い時に北海道に移住してきて、仕事柄都会での生活も多く、田舎と都会の環境意識の差、違いを肌で感じて来られたのだそう。そんな米山さんのお話を聞けば聞くほど自然の大切さと白樺(カバノキ科カバノキ属シラカンバ)の知られざる神秘に触れた気がしました。
インカルシペは、米山さんが白樺の林が支える自然と共生しながら暮らしているとっておきの隠れ家でした。

インカルシペ〜眺望のきく丘〜
 
インカルシペ・・・これはアイヌ語でね、「眺望のきく丘」という意味ですよ。昔の人の付けた名前に偽りはありません。すぐそこの西の丘を登れば襟裳(えりも)から連なる日高山脈が見渡せ、太平洋までも望む360℃の大パノラマが楽しめる場所なんです。
 このインカルシペ萠和を営むようになったのは、平成4年でした。当時のオーナーが木を伐採するという話を聞いてね。この立派な白樺の森を切るのはもったいない、それならばと購入を決意したんです。
そうして、仕事の合間に手入れをしに来る生活が始まりました。手入れをしていたら汗をかく。汗をかくから風呂を作ってさっぱりしたい。山の手入れをして出た木を薪に五右衛門風呂。それを休暇の楽しみにしていたんです。見ていた周りの人から自分ひとりで楽しまないで開放したらどうかとアドバイスしてもらってね。それでここを開放することにしたわけですよ。


土一生〜お金に代えられない価値がある〜
 私は、スポーツ施設や公園を作る仕事をずっとしてきたんだけど、冬は毎年、東京、関西で仕事をしていた。ある年、マンションの真中に公園を作る仕事を請負ってね。仕事をしていたらマンションの住民が早く作ってほしいって何人も言い寄ってきてね。都会の人がいかに自然や土に飢えているかを感じましたよ。出来上がった時にはそりゃ皆喜んでくれましてね。都会での仕事はいつも自然について深く考えさせられたね。


白樺の不思議を発見
 
私うちは白樺樹液が看板商品ですけれども、白樺は樹液以外にも様々な形で生活に役立っているんですよ。薪もその一つ。ここでは、白樺の薪で焚いた五右衛門風呂と薪サウナが楽しめます。

 フィンランドの人が来たときに、サウナで白樺の若葉を使うのがフィンランド式ということで白樺の若葉のついた枝を15cmくらいに切って渡したこところ、体中を叩き始めたんです。バサバサとね。そうすることで血行が良くなって体にも良い、若葉の良いにおいも広がるといったわけです。本場の知恵を授かって、うちでもいつでも使えるようにサウナにはいつも若葉の枝を置いてありますよ。フィンランド式サウナ、是非お試しあれ。

 若葉といえば、私も本当に驚いた経験があります。何年か前の話になりますが、片腕が肩から上がらないようになってね。医者に五十肩だ。直るまで半年は掛かるって言われました。どうしたものかと思ったさね。途方にくれていたとき、普段ならさすがに毎日は入らない五右衛門風呂に薪をくべて風呂に入り続けたのが効いたね。若葉のことを思い出して「そんなに良いものなら湯に入れても効くだろう」と若葉を入れて、朝晩入っていたら4日ほどですっかり肩が治ってね。それ以来、五十肩で悩まされることなんか無くなって、今でも元気いっぱいさ。


白樺の不思議をまた発見
 いろいろと恵みをもたらしてくれる白樺には、実はまだ不思議なことがあるんだよ。効能たっぷりの若葉を微粉末にしたものなんだけど、これに水を混ぜて練るとプルンッとした粘り気のある状態になってね。これを皮膚に貼ると清涼感が続いてスースーするんだよ。後は水で洗い流せばいい。綺麗な話じゃないけれどこれは水虫に効くよ。スースー感がカユミを止めてくれるしね。微粉末にするのは特殊な機械でやるから、一般に流通するにはまだまだ時間がかかると思うけど、白樺の有効活用はまだまだ未知数なところがあって楽しみだよ。

 あと白樺は、昔から材木としては加工しても乾燥すると割れてしまうから価値の低い木とされたけれど、今は丸太のまま乾燥する技術があるから、材にしてから割れることも無くなってね。ご存知の通り白くて清潔感のある樹皮を持っているし、やわらかい加工のしやすい木材としてピアノ材などにも重宝されているのさ。その価値が見直されてきてるんだ。

 本当に白樺は私たちの生活に恵みをもたらしてくれる最高の木だね。白樺は森の母なる木と呼ばれていて、森を育てる木なんだ。パイオニアプランツって言うね。荒地に真っ先に侵入して美しい純林を造る。白樺の木は大体100年も寿命がないライフサイクルの早い木でね、毎年大量の葉を茂らして、それが土地を肥やして、寿命がきて倒れるとそれも森の栄養となるんだよ。その後に寿命が何百年もある木が入ってきて豊かな森に育っていくことができるんだ。


物のあふれる現代に“もったいない”の気持ちを
 このインカルシペ萠和では、雪が融けて白樺が若葉をつけるまでの僅かな期間、白樺から樹液を少しわけてもらいます。白樺の樹液は古くから世界各地で漢方薬や健康飲料として親しまれているものです。白樺に小さな穴を開けてホースを差込み、入れ物に樹液が出てくるのを静かに待ちます。

 ここでは小さなお子さんにも白樺から樹液をわけてもらうところからやってもらうんです。1滴1滴、少しずつ落ちる雫に、たとえ1滴でも落としてはもったいないと言って手で受け止めたりするんですよ。蛇口をひねれば出る水道水、店に行けば何でもある時代。この樹液を採取からやってもらうと、その1滴を大事にする「もったいない」という気持ち、そういった喜びを共有したお客さんに白樺の苗木を植えていってもらっています。森からもらった恵みに感謝して皆さん森に新たな一本を植えていってくれます。そういう感動を現場だから伝えられるということがこの上ない喜びです。成長の早い白樺は数年で見上げるような木になります。想い出と共にあなたの白樺を植えて見ませんか。


訪れる人の数だけ自然との楽しみ方があります
 ここに来る人は、ほんとに色々ですが、皆さんそれぞれ自然を満喫していってくれます。
 あるイギリス人は雪が解けてグングン水を吸い上げる樹に耳を当てると樹の中を流れる水の音が聞こえるといって抱きついていましたね。森林浴もよくしますが樹に直接抱きついて樹の元気を分けてもらうと言っていました。東京から来たあるご婦人は、向こうでは200円もするのよ、と言いながらフキノトウ摘みを楽しんでいました。味噌を買って来て蕗味噌にして、帰ったらお土産として配るといって思い出と一緒に持って帰ったりしてね。またある若い夫婦は、私がイチゴの苗を植えていたら、手伝いたいといってイチゴを植えて帰ったんだ。しばらくしてから、あの時植えたイチゴはいつ収穫できるかって電話があってね、7月には収穫できるといったら、今度はイチゴを摘みにまたやってきてくれたよ。そのときは予め地場産品研究所に電話しておいて、そこでオリジナルの手作り特性ジャムに加工してお土産として友達に上げるといって喜んで帰っていったっけ。そうかと思うと、何もせずにのんびり静かに過ごして帰る人がいたりね。過ごし方はいろいろさ。自然から受ける感動は人それぞれ、ここでは自然と直に触れ合える感動があるんだよね。あなたスタイルの楽しみ方、見つけに来てはいかがですか。


 
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