オーナーの思い

変わり者おやじが心込めてもてなす秘湯宿
幌加温泉旅館
総島 諄さん(Makoto Sojima)

昭和12年生まれ 66才
出身地:富良野市
施設メニュー:

のんちゃんレポ
 糠平温泉を三国峠へ向かって進むとありましたありました。幌加温泉の看板が。そこから左折してしばし進むと幌加温泉があります。外観は…くたびれた(ごめんなさい)建物2軒がひっそりとたたずんでいます。取材に訪れたのは10月の初旬だったので山の紅葉が進んで木の葉も落ちて少し寂しげ。人の気配もまるでない。この山に囲まれた秘境で温泉宿を経営しているご主人とは一体どんな人なの?!
「ガラガラガラ」(ドアを開ける)
「・・・」(しーん…。)
「こんにちはぁ・・・」
ガチャ、「どうぞ・・」(扉が開いてご主人が迎えてくれた)
「失礼します・・」
初対面の第一印象は『“オンジ”のような人』そうです!アルプスの少女ハイジに出てくる、ぱっと見厳しげな表情の雰囲気のハイジのおじいさん“オンジ”を思い起こさせるかのよう。少し緊張しつつもお話をうかがうにつれて、温かな人柄が浮かび上がってきました。そして取材を終えて帰る私を外まで見送って、「またおいでね」と手を振ってくれている。ご主人は友達や仲間には『女性に優しい変わりもののオヤジ』そう言われてるょ。にこにこでこっそり教えてくれました。ひなびた宿にちょっと頑固そうなご主人がこの温泉宿で待っています。なんとも言えない素敵なご主人なんです。

「幌加温泉宿主となったのは…湯との出会いから」
 この幌加を切り盛りし始めたのは14年前だね。ここは昭和26年に湯治客を対象に木材屋を経営していた東さんが始めたんだ。私は幌加に来る前、トムラウシ温泉(東大雪荘)の支配人をしていたんだが、当時幌加温泉を経営していた経営者から「引退しようと思っているんだけれど、誰か経営してくれる人はいないかしら?」と持ちかけられたんだ。
14年前の1月のことだけどここを見に来てみたら「すごく湯船がいい」それが第一印象だったんだ。そしてここ、幌加の湯に魅せられて経営を引き継いで今年で14年目、今日に至っているんだよ。


幌加に向かって撮影
「山の中」
 ここ幌加温泉の魅力は「お湯」「森林浴」これだね。ここはニペソツ山の登山口のすぐそばにある。ユウンナイ川が流れる。ここは山あり川ありの場所。ここでの暮らしは自然の春夏秋冬毎日違う顔を見ながらの生活。自然のささやきと山の顔、すっごくきれいで、いいねえ。時には2軒しかない宿の灯りを全部消して、ここに来てくれた仲間(お客さん)と星空を観察することもあるよ。ここならではの贅沢だよ。
 俺の住んでる場所はすごい山の中にあるんだ。ここは標高640mあるんだけど、ある時に三股の方へ下って見晴らしのいい場所から双眼鏡で幌加の方を眺めたんだ。その時は驚いたね。隣のもう一件の幌加の温泉「鹿の谷」さんの玄関口が「ポコッ」と山の中に小さく白く光ってる見えるんだよ。自分でも驚くほどの山の中に一つの建物が見えてね。「すごいところに居る」って実感したね。(ハッハッハ)


「建物も暮らしぶりも昔のまま」
 この宿は見ての通り、築50年になる建物で断熱材も入ってない木造建築。建物の古さはここの冬の厳しさにはこたえるね。湯の管理にも苦労がつきない。給水系統のメンテナンスには苦労しているね。そろそろ建物のリフレッシュも考えなくてはならない時期かもしれんな。この建物で自慢の湯を楽しんでもらい、食事をしてもらう。山の幸-山菜を採るのは私。採るときから心を込めて採っているよ。ここで採れた山菜料理を味わって喜んでもらいたい、その一心ですよ。


「がんこ親父も昔のまま」
 俺はねお客さんを客と思って接しない。仲間か、家族か。そんな思いで接してるよ。ここに来る人がマナーを知らなければ注意する。例えば「こんにちは」といって玄関をあがってきたお客さんの靴が揃えられていなかったら、「おいっ、どっち向いて帰るんだ」ってね。みんなハッとした表情で駆け寄ってくる。そして靴を揃えてつま先の向きを変える。俺に注意されてよかったね、大人が教えていかなきゃならないんだ。一つでも二つでも長生きしている人は何かしら仲間に伝えることがあるんだから。仲間だからこそ勉強してもらいたいと思う。客と思って接するとそうはいかないんだ。




 
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