オーナーの思い

生産者だからできることがある。食べるための農業を
十勝しんむら牧場
新村 浩隆さん(Hirotaka Shinmura)

年齢32才
出身地:上士幌町
施設メニュー:

のんちゃんレポ
 新村さんをうかがうと、搾り立てのノンホモ牛乳をいただきました。牛乳を味わいながら飲むのも久しぶりです。ついつい流し込むように飲んでしまいがちな私・・しかし牧場の風景を見ながら一口「ごくっ」。「おいしいぃ!!」加工乳とはまるで違い、濃厚なのにもかかわらずさっぱりとしていて、のどをすーっと通ります。新村さんはすごく背が高いのもこんなにおいしい牛乳を沢山飲んだから!?。この牧場には、130頭の牛が生活しているそうです。自然のサイクルに合わせた景観整備にも取り組んでいるそう。牧場の敷地内に流れる2本の川の重要性を認識し、植林、草地の造成などをはじめているそうです。32才という若さで夢を現実にさせる意気込みに圧倒されてしまいました。

牛との生活
 正直農業はやりたくなかった。ここ10年くらいですね。やっていこうという気になったのは。昔から家が農業でしたから、中学、高校、大学の頃は農業はやらないだろう、やりたくない。仕事として考えると、休みも正月もなく、お金にもそんなに余裕もなく、現場はきれいというものでもない。食べる分にはいいし、観光に見に行く分には農家もいいけど…。しかし、家業を継いで酪農を選択したのです。そして自分の描く牧場を追求し余裕ある酪農経営を目指しています。


みんなが飲みたい牛乳を作り、みんなをほっとさせるような牧場を作ってみたい
 みんなが飲みたい牛乳、食べたい乳製品は、どんなものだろうか?家業を継いで酪農を始めるにあたり、私たちがまず第一に考えたのはそのことでした。
輸入穀物をたくさん与え、化石燃料や様々なエネルギーを使って、効率的に牛乳を生産する。そのような方法も間違いではないと思います。
でも、私たちはもう一度、本当にみんなが飲みたい牛乳を作ってみたい。そして、みんなをほっとさせるような牧場を作ってみたいと考えました。
そこで取り組んだのが、より自然な状態で牛を飼う、放牧というスタイルです。そして放牧で健康な牛を作り、おいしい牛乳を生産するには、まず、土づくりからだと思い至りました。牛乳の生産が、どうして土づくりから?と思われる方も多いでしょう。
昔ながらの、より自然な形の放牧をしようとするとき、牛のエサとなるものは?それは、牧場に生えている牧草でしょう。


牛つくりは土づくりから
 では草なら牛はなんでも食べてくれるのか?答えはノーです。美味しい草でないと牛は食べようとしません。また、牛が食べてくれても、その牧草の栄養バランスが取れていなければ、いい牛乳はできないでしょう。
放牧によって健康な牛を育てるためには、まず、健康な牧草を作らなければならないのです。
そして、健康な牧草を育てるためには、健康な土を作ることが欠かせません。
だから、牛つくりは、土つくりなんですね。


土壌分析で土の改善を
 近年増加しているアトピーや、アレルギー疾患は、食べものに起因するものが少なくないといわれます。食べ物を育てる土に含まれた残留農薬や化学肥料の影響もあるのではと考えられています。そこで、牧場内約70haすべての畑の土壌分析を行い、土の科学的なデータをもとに、この土に一体何が足りないのか、また何が過剰に入っているのかを調べたのです。


えっ!?牛が草を食べない。前途多難なスタートを切って…
 放牧をはじめた当初実際に牛を放してみると、おいしそうな青い草がはえていても鼻をつけただけでほとんど食べてくれませんでした。調べてみると土のバランスがガタガタでミミズもいないということでした。長年化学肥料を施された土は、微生物やミミズの住めない力のない土になっているのです。 前途多難な放牧のスタートでした。

土のバランスがよくなると、微生物も昆虫も増え、彼らが分解した栄養素を草が吸収するようになりました。今では、牛が食べない牧草は、糞のまわりの半径10cm程度だけです。そうなるまでに3〜5年かかりました。

乳量を追求するとこのような飼い方では無理があるのですが、私たちは、より自然な飼い方で昔の牛に戻そうとしているので、このような形を選んでいます。


ミルクジャム
 牛乳は牛からの授かりもの。私たちにできることは土をつくり、いい牧草を育てるくらいです。人々が農業に求めているもの、そしてみんなが飲みたい、安全で美味しい牛乳を作る。そして、牛から授かった牛乳を使ってミルクジャムなどを販売しています。勉強会などを通じて色々な人から話を聞き、自信を持って提供出来るこの牛乳に付加価値を与え何か商品をと考えていたとき、「フランスではミルクジャムがある」という話を聞いた。ミルクジャムはフランスの農村部で作られていた保存食です。よしっ!そして自然の恵みたっぷりの放牧牛乳と十勝産のグラニュー糖だけを使って煮詰めて作るジャムの販売を始めたのです。今は3種のミルクジャム、日本初の生乳から作ったクロテッドクリーム、放牧牛乳から作った生クリーム、北海道産小麦、十勝産地鶏の卵(オークリーフ牧場産)を使用したスフレタイプのチーズケーキの販売をしています。是非ご賞味下さい。



 
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