オーナーの思い

 『十勝川源流域 最後の秘境
山の交流館とむら

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のんちゃんレポ
 日本百名山の一つトムラウシ山へと続く一筋の道。新得の街を後に北海道の真ん中を目指してひたすら走ります。丘を越え、小川を渡り、エゾシカさんよ、「飛び出すな!車は急に止まれない」。なんて古いキャッチがあったっけ。そしてそうそう、昔こんな田舎があったっけ。緩やかな山並みを背に、沿道に点々と連なる牛舎とサイロ。どこか懐かしさが漂う緑の牧野を颯爽と春風のごとくドライブです。
 今日訪ねたのは、まだ木の肌に新しさが残る「山の交流館とむら」。応対していただいたのは、代表の武藤さんと管理人の伊藤さん夫妻。この施設は地域の人たちみんなで支えているのだそう。今日は花壇に立てる看板を作りに、地域の方々が集まってきました。「いつも何かをやるときは、皆で力を出し合うんですよ」と伊藤さん。和気あいあいとしていて、なんだかうらやましい。では、早速お話しを伺いましょう。

「古き良き山村集落をライブで体験」
 
ここは新得の市街地からでも車で40分はかかる田舎ですが、最近、地域の保育所が復活してね、それまで集会所として使用していた施設を使うことになったんですよ。そうなると新たに集会場が必要になるわけですが、それならば地域の活性化に繋がるようにと役場に相談してコテージの造りにしてもらいました。農村と都市の交流拠点として2000年の冬に「山の交流館とむら」としてスタートしました。
 ここの運営は地域住民みんなで切り盛りしているんですよ。スタートから5年、今ではソフトアイスのラリーに来るお客さんや登山に来るお客さんなどいろんな人がここを訪れてくれます。ここの温もりに触れて、ここを訪れる人達の中にはリピーターになる人も多いんですよ。中には毎年欠かさず訪れるお客さんもいます。
 この集落には、大人と子供合わせても50人くらいしかいないから、みんな顔見知り。小学校の運動会は地域の運動会。自分の子供が小中学校に通っていてもいなくても、みんなで手伝って応援して楽しむんです。
大人も子供も自分のやれることを出し合って富村牛地区は成り立っています。
“山の交流館とむら”も地域皆で運営している感じですね。そういった一体感が味わいたくてここに何度も足を運んでくれる人もいて、暖かい気持ちになりますね。



「マルチ人間たちのオーラを見た」
 私たちは、家族で山村留学してきたのよ、川崎からここに来てびっくりしたのは、地域の人達が何でもできることだったわね。何をするのでも町が遠いでしょ。ここに暮らす人はみんな、屋根が壊れたら大工さん、風呂釜が壊れたら左官屋さん、電気屋さんにもなれちゃう。とにかく何でもできるの。何かが壊れたからって、いちいち町まで行っていたら間に合わないから材料さえあればチョイチョイっと応急処置しちゃうのよね。田舎に住んでいると、そういうことは当たり前みたいだけど、すごいなぁって感心したわ。

ここでは、山村留学の受入れもしているのですよ。厳しい自然の中、何をするにも町から離れた不便な生活。そんなハンディをものともしないたくましさと生活の知恵を持っているのね。いろんなものに体当たりして我が物にしてしまう。コンビニがなければ暮らせない都会の便利さの対極で、不思議と満ち足りた気がするの。やれば何でもできるんだって気づかせてくれる所って、今どき貴重かもしれないわよ。それに地域との一体感や暖かさに触れたら、田舎の良さが感じられるでしょうね。



「きらきら光るお空の星よ、真冬の雪よ」
 トムラウシは本当に冬が厳しいところでね。一ヶ月のうちのほとんどは雪が降ったり吹雪いたりするのですが、寒くても仕事をしなくてはならないし、その中で数日穏やかに晴れる日があるんです。その景色の素晴らしさといったらないね。大雪山系の2000m級の山々が、青空にくっきりと浮かび上がって、それを見ると一瞬で吹雪の憂鬱なんかすべて忘れてしまうよ。本当に、この山が見える風景が無ければ、ここでの生活には耐えられないかもね。
 何が魅力かって言われるとね。一見、何も無いところかな。何せこの地域は、携帯もつながらない場所ですから、下界を離れてのんびりしてもらうには最高ですよ。携帯電話が鳴らない代わりに木々のざわめきや鳥や虫の鳴き声に耳を傾けてみるのも一興です。紅葉の時期などは、写真を撮りに来る人もいるし静かな場所でそれぞれの休暇を楽しんで下さい。
 そうそう、何も無くはないのよ。こんなに雄大な山々が眼前に広がるところはそうないわ。ここに泊まって大雪山に登山をしに来る人達は口を揃えて言うのよ。大雪の山の上から見た景色は素晴らしいって。たいてい素晴らしいっていわれる景色でも早晩飽きるものだけど、ここはどれだけ眺めていても飽きないって。なんだかそんな素晴らしい場所に住んでいるっていうことに誇りを感じるわ。それと同時に、これまで守ってきたものを守りつづけていかなければいけないと、ここに住んでいる人達が常に思っていることを再認識するのよ。



「平成のフロンティア」
 ここは山の中だから、都会では見られないものが沢山ありますよ。リスやキツネは当たり前、ヘビやらテンやらいろんな子達が遊びに来るわ。トムラウシの子供たちの遊び相手にもなっているわね。ある意味賑やかな生活よね。
 私たちもかなり“何でも屋さん”になってきたかな。さっきまで木のお手入れをして植木屋さんしていたし。木を伐ったり薪を割ったり、木こりにだってなっちゃうの。でも実は、うちの旦那は元々料亭で働いていた料理人でね、遠い所まで来ていただいたお客さんに遠い所まで来た甲斐があったと思ってもらえるように腕を振るっています。
 パンを焼くのは私が担当。手作りパンを焼き始めて1年ほどになるけど、おかげさまで評判が良くて今では毎日のように焼いています。ただ一度に焼けるパンは多くないのでたくさん欲しい方は予約してくださいね。地元の子供たちと作った看板が出ているときは店にパンが並んでいるってサインです。

五右衛門風呂も楽しいと思いますよ。登山と宿泊のセットプランなどを企画したりして地域ぐるみでの取り組みもいろいろ考えています。皆さんのお越しをお待ちしております。




 
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